佐藤さんは、16年間やっていたスナックをやめて、7年前に好きな料理の腕を活かせる小料理屋「花もめん」を始めました。
客はほとんど常連さんで、スナック時代からの方も多く、定年退職しても来てくれます。このつながりは、スナック時代から続けている手書きのハガキにあります。1度来てくれた客には、その後すぐ来てくれなくても、必ず、最低、暑中見舞いと年賀状を手書きで出し続けています。もちろん、請求書などを送るときも必ず一言添えます。また、店がいっぱいで入れなかった客にもちょっと手紙を出して、お詫びと「また来てね」と、心づかいをします。
先日も10年ぶりに来てくれた人が「ずっと来ないで悪かった。ハガキをくれていたのがうれしかったし、気にかかっていた。今日、10年分の切手代ぐらい代金とっても良いよ」と、言ってくれました。
顔見知りの郵便局の人から、オリジナルの写真付き切手の作成をすすめられ、早速作り、使っていますが、ちょっとした話題になり、効果があっています。
新しい客を開拓するために、6年前から昼定食も始め、なかなかの評判です。
これまで借金なしでやってきましたが、昨年の水害の浸水で、店内はめちゃめちゃ、冷蔵庫などの備品も全部ダメになり、市の融資を借りて、一から出直しました。
「今までやってきた仕事の内、今の料理を中心とした仕事が一番向いているので、これからもがんばっていきたいし、できれば、家族で暮らすような家庭的なグループホームみたいなことがやれたらいいなあ」と、話してくれた佐藤さんでした。