地球に優しい仕事を模索
山口 裕二さん (飯塚民商)
 
 
 山口さんは、学校を卒業後、9年間勤めた会社が倒産、粕屋にあった同業種の会社にアルバイトとして入りましたが、それまでの実績を認められ、すぐに正社員へとなりました。しかし、社長が脳梗塞で倒れ、廃業に。そこでいくつかの取引先を引き継ぎ、起業することを決意しました。基本的には1人、忙しいときには前の会社の時からの知り合いに下請けに入ってもらう形で始め、有限会社「サンコウFRP」として起ち上げました。

 経営のことは全くわからないまま法人で出発したのですが、近所の鉄工所の人が民商の会員で、民商を紹介してくれたので、早速入会、記帳のやり方など1から教えてもらいながらすべて自分でやっています。また、現在の工場は、田んぼだったのを整地、土台作りから始めて、ほとんどを定年退職した父親と2人で作り上げました。石油を原材料としたF・R・P(繊維強化プラスティック)で、公園などにある遊具やオブジェなどを作っています。主なものとしては、三井グリーンランドのウルトラマンなどやリンガーハットの屋根の部分、福岡大学構内に設置されたゴミ箱などがあります。

 デザインや色など注文に応じながら、必ず、設置する現場に赴き、よく対話して、試作品なども提示するなど顧客のイメージ通りの物を作るための努力を惜しみません。

 そういう仕事に対する姿勢などから仕事は切れることがなく、逆に待ってもらっている方もいるくらいです。

 しかし、F・R・Pは、地球に優しい素材・仕事ではないので、このままではだんだん仕事が減っていくのではないかと考え、もっと地球に優しいことをと、模索している山口さんです。
 
 
 
繊維強化プラスティック加工

(有)サンコウFRP
 
  嘉麻市光代