忍耐、努力の染み抜き一筋
樋口丸雄さん(春日那珂川)
   樋口丸雄さんは、車の塗装が好きで、名古屋に就職しましたが、行ってみると工場がまだなく、話しがちがうと、2カ月で帰ってきました。

 「何か仕事を」と、思案中に福岡市東区のクリーニング屋さんから声をかけられて就職しました。20才で京都に行き、腕を磨くためにあちこちで修業しました。

 27才の時、京都の知り合いから「自分で商売を始めたら」と、百万円貸してくれたのをきっかけに、那珂川町で開業しました。

 しかし、3年ほどで、まわりに取次店が増えてきたので、染み抜きの勉強を始め、2年ほどで2級の免許を取得、これを契機に本格的に染み抜き屋でやっていくことにしました。その2年後、1級免許も取りました。

 染み抜きの仕事は「忍耐、努力。投げ出したら終わり」と、語る樋口さん。洋服と違い、生地は昔からの絹物が多く、化学繊維より染みが抜きやすいそうです。

 ただ、最近は、染みの成分が多種多様となり、次々と研究しないといけない、いたちごっこの状況です。特に女性客が多いので、テレビで新しい化粧品のCM(特に口紅)を見ると「どきっ」とします。

しかし、いろいろ苦労しても、きれいに染みが取れて、お客さんに喜ばれると「やっていて良かった」と、思い、「仕事が守りにはいると技術も上がらないし、ダメ。勉強会などにも目的を持って積極的に参加して、努力を積み重ねています。

 お客さんの預かりものを大切に丁寧に扱って、きちんと仕上げることが信頼につながります。」と、日々研究に余念のない樋口さんです。

染み抜き樋口

筑紫郡那珂川町片縄851-23
電話 092-952-4874