井上さん(59)は、西鉄津福駅前の幹線道路から脇の路地にはいった駅から徒歩5分ほどのところに、タイホースーパーの前の私道を借りて露店で営んでいます。
井上さんと奥さん、それにパートの3人でがんばっています。この場所で商売をはじめて18年になります。私道は幅が6メートルほどですが地主は半分、半分と2人おり、地代を3万円づつ払っています。仕入れは朝早く青果市場に行き、露店に新鮮な野菜が並ぶのは10時半ごろ。電灯を付けていないため、夏、冬を通して日暮れまでが営業時間です。
切れ目なくお客さんが訪れ、井上さんは「いらっしゃ〜い」と気軽に元気よく声をかけます。露天の横はスーパーの駐車場になっていますが、金網越しに買い物をする人も。お客さんが野菜や果物を手にすると「2個なら大サービス」と思い切った値引きで買ってもらい、個人商店ならではの良さを発揮します。
長引く不況で売上げは落ち込んでいますが、運動会時期は1日に30万円ほど売れるが日常はその3分の1ほどです。井上さんの商売のモットーは「信用が第一」。その信念どおりに「美味しくないと売らない」と言い切ります。先日もメロンを仕入れたのを「味が美味しくない」と売らずに捨てたというほどの徹底ぶりです。夏のイメージのあるスイカを販売していますが、これは熊本産の美味しいスイカと自信を持って年中売っているといいます。
井上さんは支部長として、常任理事会や支部役員会の会議を軸に、学習会や署名、拡大などで会員といっしょにがんばっていますが、長年の活動の中で支部役員や会員とのつながりもつよまるなか、野菜を買いにきてくれる会員も多いといいます。