自分の仕事が後世に残るのが誇り
石橋和昭さん(看板・南福岡民商)
 福岡市南区桧原で看板業を営む石橋さんはこの仕事をはじめて29年になります。筆で書くのがあたりまえの時代でしたが、十年ぐらい前からコンピュータが入り、いまでは主流になってきました。

 石橋さんはもちろんコンピュータも扱いますが、書く人が少なくなった手書きも特別注文でやっています。
 みなさん気がつきましたか。箱崎埠頭倉庫群に都市高速などから見えるように大きな文字が書かれています。

 石橋さんは『日本通運、博多臨港、箱崎TAIREI』などてがけました。また、鹿児島のスポーツセンターの屋上に飛行機から見えるように長さ四十bのマークも書きました。

 先日は城南区のお寺から注文をうけ、漆塗りの木札に『寄付○○円○○○○様』と書いた800枚の木札をおさめました。この木札はお寺の本堂にかけられ、50年、100年と生き続けます。

 石橋さんは「私たちものをつくる業者は、一つひとつの作品の納期を守り、きちんとつくり、そのことによって信頼をかちとる以外にない。そのことが信用につながります。また、自分のした仕事が後世に残るのが誇り」と語っています。