地域に根ざして自然体で
 
河野 迅(わたる)さん(門司民商)
 
 
 中学を卒業後、まわりからのすすめもあって、「手に職をつけよう」と思い、いろいろ考えました。親戚に大工などもいたけれども体力的なことも考え、調理人を選び、仕出しもやっている寿司屋に修行に行きました。
 15年間働きましたが、地元大里の寿司屋が店をやめるというので、そこに居抜きで入りました。31歳の時でした。
 景気のいい時代でもあり、7年後の38歳の時、小倉に支店も出しました。残念ながら、これはあまりうまくいかず、数年で閉店。本店のみでの営業となりました。6年前、43歳の時、現在の店を建てました。
 地元の大里というところは、地の人が多く、口も厳しい(味にうるさい)人が多いのですが、独立したときからずっと地元でやってきて、いちげんの客は少なく、ほとんどの客がリピーターで顔を知っているといいます。それでも、3年に1度ぐらいは、大里約3万軒をいくつかの地域に区切ってメニューを新聞に折り込んで、新規の客の開拓もやっています。
 店は、出前や仕出しが中心で、従業員、パートの各1人と切り盛りしていますが、忙しい時には「助」と呼ばれる助っ人を頼むこともあります。以前は、調理師会が職人を派遣していましたが、今は職人そのものが少なく、河野さんはつながりを生かして来てもらっています。
 商売を始めて8ヶ月後に仕入れ業者の魚屋さんの紹介で、民商に入会。記帳の仕方は、教えてもらいながら覚え、10年前からはパソコン記帳をしています。
 なかなか先の見えない時代ですが、自然体で商売を営む河野さんです。
 
すし・割烹 かわの

門司区柳町4-1-6
 TEL 093-391-4025