木下正人さんは、建具の組子材工という、大川ではほかにいない特殊な技術を持った建具大工です。販売先は大川の建具業者で300軒ほどいます。
しかし、不況と建築需要の変化から全体として注文が減ってきています。11年前に親から独立してがんばってきましたが、この需要の変化に対応して、「あんどん」や「つい立」など新たな独自製品を作り出しています。
桐ダンスやランマ、ガラス障子、水屋、下駄箱などに彫刻のような模様を杉や竹を使用、製品自体がまさに芸術品で、数々の表彰も受けています。
この特殊な技術は高い評価を受け、福岡県と福岡市の物産課から「特産品」として認定を受け、「物産展」に出品されます。
今月は25日から31日の間、仙台で福岡県が主催する物産展に木下さんも参加し出品します。
また独自に展示会を開いてできるだけ多くの人に製品を知ってもらう努力もしています。柳川市をはじめ、アクロス福岡やNHKロビーなどで展示会を開いています。
京都でも、祇園のお茶屋さんが2階をギャラリーに改装して提供してもらって常設の展示会を開設するようにしています。このお茶屋さんの知り合いの方が木下さんの製品を一目で気に入り「いい製品をどんどん展示してほしい」とバックアップしてくれています。
木下さんは昨年結婚したばかりで、「大型店などには出さない。一つひとつの製品の良さをわかってもらうことが大事」といっそう張り切っています。