あったか民商でありがたい
国保・介護問題で県と交渉
多重債務 さまざまなたたかいで解決
消費税「預り金ではない」と認める
「自主共済守れ」と学習会や署名行動
国保料 必死に払ってきたがもう払えない、国保料の引下げ・減免を要求
「改正」保険業法による共済つぶしを許すな
悪法阻止へ全国から5万人 5・27国民大集会
今年はイヌ年 ワンだふるな年にしたい(田川民商)
伝統工芸を守り、博多人形に魅せられて(西福岡民商)
年末に自宅が全焼!あったか民商に支えられ元気に再出発(八幡西民商)
伝統行事守って木うそづくり(筑紫民商)
 
9月の台風で工場が倒壊
仲間の援助で再建
 粕屋民商青年部の中尾章太郎(28才)さんは、糟屋郡宇美町で父親の泰司さんと母親の和子さんと一緒に、自動車修理・販売業を営んでいます。

 この中尾自動車は泰司さんが30年前に設立し、12年前に宇美町に移転した時に粕屋民商に入会しました。

 宇美支部は81人の会員と10人の会外読者がおり、班で配達・集金を分担、家族ぐるみで会員どおしのつながりが強い支部です。

 章太郎さんは、昨年より常任理事に選出され、今年、青年部にも入部。粕屋民商の次世代を担う希望の星として、群馬で開催された全国業者青年交流会に参加しました。

 その最中、9月17日に台風が福岡を直撃、整備工場は大きな被害を被りました。

 一報を受けた章太郎さんは群馬から身動きがとれず、民商事務局に助けを求めました。吉原事務局員は山口敏彦支部長、森川義一副会長、前田祐二常任理事さんとともに工場へ駆けつけました。

 そこには全壊した工場を前に、泰司さんご夫婦が呆然と立ちすくんでいました。大きなスレート屋根の塊が、隣の工場をまたぐ形で私道をふさいでしまっていたので、最優先で撤去が必要でした。すぐに会員さんの紹介で業者に来てもらい解体作業に取り組みました。鉄骨が付いたままの屋根は分断しても、1つが百キロ近い重さでしたが、役員さんの手作業で運び、なんとかその日のうちに撤去することができました。

 翌日帰ってきた章太郎さんは、切り取ったスレート屋根が山積みされているのを見て、くやしさとありがたさがこみあげました。 
 しかし、工場は手つかずのままで、お客さんから預かった車や工具類も鉄骨や壁の下敷きになっていて、すべて撤去するのに数日かかりました。粕屋民商では、緊急に常任理事会を開き、会員全体の台風被害調査も行い「なにかできることはないか」と話し合い、最も被害が大きかった中尾さんへの募金活動と、引き続き撤去作業の応援に取り組みました。

 特に、軽運送の小山田正剛常任理事が「民商の者です。夜勤なので朝方しか手伝えませんが」と朝早く訪ねて来て、黙々と片づけを手伝ってくれたことに、和子さんは感激しました。

 県青年部協議会でも、交流会から帰ってきて「困っているときはお互いに助け合おう」と緊急に全県にボランティア活動を呼びかけました。青年部からは明野議長(当時)や役員が、糸島民商からは小島勝利さんが駆けつけ片づけなどを手伝いました。

 章太郎さんは「隣の工場の屋根や近所の車の修理などは終わりましたが、大きなお金がかかり立ち直るのはこれからです。多くの人たちの善意で一歩一歩、前に進んできました。あったか民商でありがたい」と話しています。

 また、章太郎さんの弟であるタイヘイ君が、「やどかり」(男性ふたりのユニット名)で歌う「30年後の君へ」「博多の人」などが好評なことが、家族の気持ちを支えています。
 
 
国保・特別な事情ある人には交付
介護・不服があれば窓口へ
 

 福岡県との交渉で当局は国民健康保険証について「特別な事情がある人には(正規の)保険証を渡します。特別な事情とは『リストラや営業不振などで生活が困窮して保険料(税)が支払えない状況』ということ。病気になってからということではない」と回答しました。 11月22日、福商連は田原計会長(当時)を先頭に11民商と県婦協から19人が参加して国保・介護問題で福岡県との交渉を行いました。

 国保問題では、「西区で緊急入院が必要な人に、月額1万円の納付約束で3ヵ月短期証が発行され入院した。しかし、その間仕事ができず月々の支払いが履行できなかったので、保険証の期限が切れ、再入院が必要になっても行けずにいる」「子どもが病気で、月額5千円で短期証を発行された。誓約書を書かされており、支払いできなかったら期限が切れても相談に行けない」「役所は、短期証は正規証と変わらないと言うが、短期証はこのように怖い制度。家族の病気など、特別の事情がある人には正規の保険証を発行してほしい」と、保険証発行を迫ったところ、冒頭のような答弁を引き出しました。なおかつ、「市町村窓口で対応が違えば国保援護課の財政係長である自分に言ってきて下さい」という回答も得ました。

 介護保険では、4月から制度が改悪され「要介護1から要支援に認定が変更され、ベットや車椅子を取り上げられた」「必要な介護が受けられず、役所に言うと『決まりだから仕方がない』とはねつけられた」など発言が相次ぎました。

県下で65歳以上が100万人。要介護(要支援含む)認定者が20万人、その内16万人がサービスを受けているので、保険料を払うだけの人が84万人もいることがわかりました。

 「介護認定が低いときは自分でベットを買えというが、年金生活者にベットの購入は重い負担」「国民年金だけの高齢者は、保険料は天引きされても、利用料を払えば生活ができない。保険料と利用料の減免が十分でなければ『なるべく早く死ね』と言っているのと同じだ」と迫りました。

 介護保険課は、「介護保険は、利用者が納得してサービスを受ける必要がある。不満がある人に『仕方ありません』ではすまない。認定やサービスのあり方に不服がある場合は、地域包括センターへ、ダメなら市町村の介護保険課へ、それでもダメなら県の介護保険課へ言って下さい。国保連合会にも相談窓口があります」と答弁しました。

 
 
多重債務 さまざまなたたかいで解決
 
 多重債務解決のたたかい方が変化してきています。会外業者やサラリーマンの相談が減り、会員の多重債務相談が増えてきています。解決の方法も特定調停中心から、これまでの成果の上に様々な解決手段を生かしたたたかいに変わってきています。民商の最近のたたかいを紹介
 
 宗像古賀民商は、高橋会長が旺盛に相談活動をしています。過払いがある事案は、調停でなく過払い返還請求を中心に本人訴訟でたたかい貸し金業者から過払い請求額の80〜100%の返還を勝ち取っています。損害賠償として過払い額の6%を別に要求しています。訴状を書いてまず業者に送り付けています。 これだけで貸し金業者の半数は過払い「和解額」を示し解決しています。
 田川民商は、役員、会員からの相談が増えています。 調停で「債務不存在」で決定を勝ち取り、過払い分の債権は不当利得返還を求めて、貸し金業者に「取引履歴」を請求します。ある業者(本社北海道)は「取引履歴開示は債務確定のため。調停で決定しており出す必要はない」と強硬姿勢でした。 民商は財務支局に指導を要請。 支局は「施行された個人情報保護法には開示義務条項があり、この条項を示して出させればいいのでは」(同法違反は罰則規定あり)とアドバイスしてくれました。
 この法律を示すと強硬姿勢から一転し資料を送らせる事が出来ました。このほかにも過払い訴訟で次々と解決しています。
 門司民商は、後藤会長を先頭にがんばっています。 ある多重債務者の相談では、日掛け業者6社中4社に利息制限法の利息に基づく取引履歴を出させました。調停にかけ残債務が合計で100万円ほど残りますが、調停委員は日掛け業者の立場で残額の3%をメドに月35000円の返済を債務者に要請しましたが、本人は2万しか払えないとがんばっています。
 筑紫民商は、毎週金曜日の「一隅(いちぐう)道場」(山田道場長)が定着し、毎回7〜10人集まります。  
 解決した人もいっしょに勉強会など行なっています。 解決のたたかいではまず業者から取引履歴を出すよう本人が申請するようにしています。 また鹿児島民商が成果を上げている「配達証明付郵便」(内容証明)を業者に送付しての過払い解決も考えています。
 直鞍民商は、5年前から毎週金曜日に多重債務交流会を行ない300回をこえています。多重債務相談は毎月平均して2〜3人あります。交流会では坂田副会長を中心に解決のための経験や新たな知識の学習もしています。
 特定調停で「債務なし」を決定させ、過払い返還訴訟を起こし、ほぼ100%の過払い額を勝ち取っています。同時に民法704条「悪意の受益者の返還義務等」に当たるとして、民法404条を根拠に利息5%を請求しています。
 八幡民商は、いま5件の相談があります。まず取引履歴を提出させ、調停か破産か過払いかの解決方法を検討します。解決後も「2度と繰り返さない」ために、家計表をつくってもらい事務局に見せてもらうようにしています。
 
 
消費税「預り金ではない」と認める
福岡国税局と交渉
 
 福岡、佐賀、長崎の三県連代表8名は9月8日、合同で福岡国税局と交渉を行い、税の滞納について分納、分割を無条件に受け付け、売掛金、生命保険の差押えや先日付小切手を出させるなどの強引な回収は行わないこと、収支内訳書の提出や無差別の反面調査をやめ、調査理由開示、調査結果通知をきちんと行うことなどを要望しました。

 国税局から中園直樹総務課長補佐、泉原総務課第二係長、桑野同係官が出席しました。

 三県連は様々な不当事例を示して税務署の姿勢を追求、国税局から「滞納整理にあたっては個々の生活、経済状況を把握し、その生活に与える影響を勘案して行う。納付のための約束手形、先日付小切手は、提出するかどうかは納税者の判断であり税務署から強制はしない」などの回答を得ました。

 また、昨年9月に福岡国税局が「消費税の預かり金的性格の周知徹底」を消費税の「滞納発生未然防止策」の一つに挙げていることを追求したところ、「消費税は本来的に預かり金というのはおかしい。預かり金的性格でもない」と回答し、福岡国税局としてはじめて消費税預かり金論を否定しました。

 
納税猶予のとりくみ
原口 末子(福岡民商)
 
 今年から、もうけは無くても消費税が発生し、払えない業者がふえています。

 3月27日11名で福岡税務署に「消費税の納税の猶予申請書」を提出しました。

 納税を放置しないで誠実に分納するのだから、延滞金は課さないようして欲しいと思いのたけを書き込み申請しました。

 一月ぐらいしてから、「連休明けに臨店して日々の売上の確認をしたい。申告の収支を確認したい」と言ってきたので、福岡民商として福岡税務署と交渉をしました。谷垣財務大臣の「消費税を払えない人には充分実情を聞きながら対応する」旨の発言を守り対応するよう要望し、「@親身に実情を聞くこと。 A預貯金や売掛債権の差し押さえや担保の徴求をしない事 B実情は説明や関係書類の提示で確認すること C払うことを前提に申請していることを真摯に受け止め、本人の意思を尊重すること」の申し入れをしました。

 この間2回の「学習会・交流会」をするなかで「税務署に、通帳・関係書類を持って説明に行こう」となり、5月10日全員で署に行き説明をしました。その後も臨店させずに、署に行って主張しましたが「延滞金なしは無理。コレくらいになるがそれでよいかと持ちかけられ」承諾した3人、まだがんばっている3人、連絡ない1人、4回目で利息がつくならと一括払った1人、時間が取れないと無理して払った飲食店2人、審査ができなかったので不許可になった1人計11人です。

 足立東民商が3月28日消費税の納税の猶予申請書を集団で提出。その場で6人の納税猶予を認めさせ、延滞税も4.1%に引き下げさせ事は、私たちを勇気付けてくれます。

 「不許可通知書」が来た人は、意思を確認しながら異議申し立て・審査請求をしていく予定です。
 
 
「自主共済守れ」と学習会や署名行動
屋形原支部が署名目標達成・南福岡
 
 8月22日夜、南福岡民商は「自主共済についての学習会」を開催し、役員・事務局11人が参加しました。

 講師をつとめた柳明夫県連事務局長は、米日の保険業界の圧力で自主共済が規制の対象とされたこと、アメリカ政府はJA共済や労組の共済なども5年後には保険会社にすることを求めていること、自主共済つぶしは憲法が保障する団体自治権、幸福追求権、生存権の侵害であり、自主共済を「適用除外」にさせるのは世論と運動がカギであることなどを全商連パンフに沿って話しました。

 参加者からは「保険代理店の会員が、保険会社は責任準備金の積み立てや専門の職員の配置などが必要で、民商共済のように収入の9割を給付に回すことはとても出来ない。民商の共済はすばらしいと言っている」「共済が保険になると入会の手続きも資格を持たないとできなくなる。助け合いの共済の理念が壊される」と活発に意見が出され、「はじめて聞く話でためになった」という声も出されました。

 運動の交流では、一人で400人以上の署名を集めている屋形原支部長の白水直司さんが「親戚などあちこちに頼んでいる。もっと集められる」と頼もしい発言。屋形原支部は白水支部長を先頭に会員の行動参加が広がり、22日に一会員12署名目標(680筆)を見事達成しました。支部目標達成は県内第1号です。

 
市民センターに  26人 博多
 博多民商では、8月7日夜、博多市民センターに26人が参加して学習会を開きました。

 講師の県連共済会藤田勝副理事長(西福岡)は「共済は、加入者が限定され営利が目的ではない。これに対して保険は不特定多数を相手に営利を目的とするもの」「改正保険業法によって全商連共済会に保険の枠がはめられようとしています」「保険業法の規制を受ければ共済の優位性が否定される」と話されました。 質問では「他団体と共同し  てたたかうと言うが、具体的にはどうするのか?」などの質問が出されました。

 その後、浦嶋昇理事長が、共済を守る運動や集団健診の取り組みについて訴えました。
 
国保料 必死に払ってきたがもう払えない
国保料の引下げ・減免を要求
賦課方式変更で市当局と交渉
 
 7月20日に福岡市協議会(市内5民商)は、「国保料の引き下げや減免制度の拡充」を求めて市交渉を行いました。日本共産党市議団の立ち会いのもと、福岡市内5民商と市社保協から33人が参加しました。

 この交渉は、福岡市が国保料の計算方式を、市民税額から総所得金額を基本にする所得比例方式に変更したことから、所得が200〜300万円の世帯で、保険料が5〜6万円も上がり、「払えない」と言う問い合わせが相次いだことから行いました。

 この改定は、市民税対象者が加入世帯の4割しかいないことと、高齢者が様々な控除の廃止で市民税が急激に上がったことに対応したものでしたが、比較的所得が低く、家族が多い世帯にしわ寄せがいったことで、今後「払えない」世帯が増えるのではと心配されています。

 博多区で花屋を営むSさんは、母親と夫婦と子ども2人の5人家族です。

 「300万円くらいの所得で、去年も月3万円の国保料を一生懸命払ってきました。風邪くらいでは病院にも行かず、大病したときのためにと必死で払ってきたけど、今年は月4万円にもなって、もう払えません。母の認知症もひどく、夜も1時間おきに起きる生活の中で商売をしています。何がオリンピックですか」と、市当局の「財政難のため、皆さんのご要望には応えられません」という回答に怒って発言しました。

減免制度の説明にあきれそして怒り


 去年の地震時に行った災害減免5億円は、今年の保険料に転嫁していました。当局は「市の条例による申請減免を行った分は、翌年の保険料に繰り入れる制度です」と説明しましたが、「固定資産税の減免分は一般会計から繰り入れているのに、なぜ国保だけ保険料に転嫁するのか」と、驚きの声があがりました。

 また、今まで申請減免基準が、所得減少率が2割からだったのを、3割からにしたのはなぜかという問いに、「介護保険の減免基準に合わせました」という回答に参加者はあきれ果て。「何でも悪い方にあわせるか!」と怒りの声が出ました。

資格書発行は抑制と初めて回答


 当局は、「資格証明書は加入者との接点をなくすので、相談に来られたら、払える金額で相談にのり、短期保険証を発行する」と初めて答弁しました。

 福岡市は国保料滞納世帯の32%にあたる一万八千八百世帯(昨年6月)に資格証明書を発行してきました。これに対して、私たちが「資格書の発行は受診することもできなく、市民を国保から遠ざけるだけだ」と、長年にわたり抗議をしてきた成果です。

 交渉団は最後に「保険証は命のよりどころ。払える保険料にして欲しい。重症にならないようにすることで、医療費を抑えることも出来る」と、市民の健康と命を守る砦になってほしいと要望しました。
 

「改正」保険業法による共済つぶしを許すな
助け合いの共済守ろう
 
 福商連共済会は、自主共済を保険業法の適用除外にせよの運動を一緒にたたかうため、自主共済制度を持っている団体と交流しています。

 全国保険医団体連合会は「休業保障制度」を1970年に設立、自主運営し、全国で5万人の加入者がいます。 開業医が病気やケガで休業せざるを得なくなった時に、スタッフの給与や家賃などの保障をしています。

 民主医療機関連合会では、職員が病気やケガで入院した場合、社会保険からの6割の傷病手当を補完するために、独自の共済制度を県ごとにつくっています。 いま共済を守るための運動に取り組んでいます。

 日本勤労者山岳連盟は遭難対策の費用のために自主的な共済制度を作っています。37年前に登山家の遭難対策についてどの損害保険会社も請け負ってくれなかったので、自分達でつくらざるを得ませんでした。反対署名運動に取り組んでいます。

 全国知的障害者互助会連絡協議会では、知的障害者が入院した時の差額ベッド代・付き添い介護費用を補填するための共済制度をつくっています。知的障害者は生命保険への加入を断られる場合がほとんどです。また、病気の場合の入院には多くの困難が伴い、個室に入ったり、家族が付き添ったりせざるを得ないのが実状です。同会は、2月に適用除外の署名を34万人分集めて国会へ提出しました。

議員へ要請

 5月22日、福商連共済会の役員五人は保険業法を審議する財務金融委員である大久保勉議員(参議院・福岡選挙区)の福岡事務所を訪れ、全商連共済会を適用除外にするよう要請を行いました。 

 岩下幸夫理事長が要望書を読み上げ、全商連共済の内容を説明しました。

 対応した古賀秘書は「消費者保護の観点から言えば、共済の透明性を高めなければいけないと考えています。これまでに他の共済の方も要請に来ました。要望の主旨は議員に伝えます」と答えました。

総会で保険業法を学習

 南福岡民商は、6月25日に開かれた定期総会の中で、一時間を取って改正保険業法の問題点と共済理念について学習しました。

 講師は福薗県連共済会専務理事代行がつとめ、「改正」保険業法とのたたかいと共済理念について学習しました。

 「保険業法の適用になれば、全商連共済は具体的にどうなるの?」「保険を扱っている知人が、民商の共済は素晴らしいと言っていた」など質問や意見が出されました。「全商連共済が素晴らしいというなら、なぜ六割程度の加入状況なの?」「全商連共済は、どのような場合払われるの?」など率直な質問も出ました。

 「改正」保険業法とは

 全商連共済会など自主的に運営している共済を、保険会社と同じように規制するもの。法律の適用を受けると保険事業として儲けの論理が押しつけられ、助け合いの全商連共済の優位性が否定されることになります。
民商・福商連では、署名と議員への要請ハガキに取り組んでいます。
山岳連盟の代表と懇談
大久保議員秘書に要請
 
憲法改悪、医療改悪、教育基本法改悪、共謀罪
悪法阻止へ」全国から5万人
5・27国民大集会
 
 
 終盤国会で悪法阻止のたたかいが焦点となる中、「憲法9条を守れ」「庶民増税を許すな!」「医療改悪許すな!」など様々な要求を持ち寄り「許すな憲法改悪!守ろう いのちとくらし みんな集まれ5・27国民大行動」が開かれました。

 時折雨が降る中、会場の東京・代々木公園は全国から集まった5万人の人で埋まりました。福商連から24人が参加しました。

 主催者挨拶した熊谷全労連議長は「小泉政権と与党の横暴に反対し、反撃する国民的運動が全国各地から大きく広がっている。国民の怒りを総結集し、憲法改悪や教育基本法改悪はじめ悪法を阻止しよう。歴史の転機の中で新たな未来の扉を開こう」と訴えました。 

 集会では各地の様々なたたかいをリレートーク。憲法9条守る運動を盛り上げ集会に200人以上で参加したという北海道の代表や地域農業を守る大分・下郷農協組合長が活動と運動を報告。業者代表は消費税増税庶民増税について発言。沖縄の代表は米軍基地再編とたたかっている沖縄の現状を発言しました。

 集会後、3コースに分かれてデモ行進。福商連の参加者は青葉公園まで沿道の人びとへアピールしました。

 参加した武石さん(八幡民商)は「あいにくの雨にもかかわらず全国各地から5万人の人たちが集まり、何百本も掲げられた旗はまるで関が原の戦いか川中島を思わせるほど勇壮でした。

 各地からの活動報告を聞き、自分たちが安心して暮らせる世の中にしようとがんばっているんだと感じました。集会の後デモ行進でシュプレヒコールする私たちを奇異な目で若者が見ていました。(これはあなた達の為でもあるんだからね!)と思いながら大きな声で叫んで来ました。

 ひとりでは何も出来ないけど、みんなで力を合わせれば何か出来そうな・・。そんな勇気と元気をもらった集会でした」と語っています。
 
 
今年はイヌ年 ワンだふるな年にしたい
 
ペットトリーマー・城 直美さん(田川民商)
 
 
 城直美さんはペットサロンパピーをはじめて、13年になります。家族とともにすごすペットにシャンプー、カットなどをするトリマー(犬の美容師)として活躍しています。2歳の長男の子育てと両立しながら我が子と同様にペットに愛情を注ぐ城さんです。

 動物病院の先生からの信頼も厚く、先生の紹介でこのサロンを訪ねてくる人も多いようです。以前は従業員といっしょに仕事をしていましたが、今は自分の納得のいく仕事がしたいと、一人で小型犬(マルチーズ、シーズー、プードルなど)を中心にお世話しています。「ペットは人間のおもちゃじゃない。人間も犬も猫も地球に生きるものどうし、対等、平等につきあっていこう」をポリシーとして仕事をしています。

 「我が家には『ウラン』というマルチーズがいますが、愛情を持って育てると、人間以上に通じ合うものがあります。私が小言を言っているとウランがそばに来て、私の方を見て、『言わなくていい』というそぶりをみせます。また、子どもが泣いていると私のところへきて教えてくれます。ウランは家の中が円満にいくように動いてくれますよ」と楽しそうに語る城さん。

 いまは、癒しのブーム。お年寄りがペットに愛情を注ぐことで心も身体も元気になることが多いようです。ペットを中心に会話が広がることで家庭が明るくなり、幸せにしてくれる大切な宝物。家族にとっても家族の一員として必要、不可欠な存在だと思います。

 城さんは、飼い主さんの望みをよく聞いて、その通りにするように心がけています。顔の毛の長さも短くとか、長くとか聞くようにしています。家では、アイドルとして、かわいがってもらっているので、「かわいくなったね」とだきしめてもらえるように気を配っています。

 「今年は戌年なので、ワンちゃんも猫ちゃんも、そして私たちも、自由にそして思いやりを持って生きられる年にしたいですね」と、城さんは語ってくれました。
 
お店の前で
愛犬・ウラン
 
伝統工芸を守り、博多人形に魅せられて
 
人形作家・上川俊之さん(西福岡民商)
 
 
   
 
 西福岡民商の会員で博多人形作家の上川俊之さんは、人形を作り続けて50年になります。ものづくりが好きでおじさんに弟子入りしたのがきっかけです。その後、西頭哲三郎氏の指導を受けて、昭和56年に独立し、派閥を超えて研鑽しあう作家集団白彫会(はくちょうかい)に入り、伝統工芸の伝承をはかってきています。

 博多人形の歴史は古く、400年前の鎌倉時代の「土人形」にルーツを発し、美人ものや能もの、童ものなど、バラエティ豊かに完成されて21世紀に愛され続けています。

 博多人形は、原型づくりから始まります。土は福岡市城南区油山産の土を使用、土練りをし、頭、胴、手足を彫るように仕上げていきます。それをいくつかに分割し、石膏で型をとります。石膏の型にねんどを貼り付け、型からとりだし、生地をあわせて人形を作り、天日で乾燥し、900度の窯で焼き、炎の中で命を吹き込まれます。そして彩色をおこないます。彩色には胡粉をにかわと水でといて塗っていきます。胡粉は、質感、艶がしっとりし、化学塗料はかないません。

 一番緊張するのは、何といっても面相といって人形の顔をかくときです。顔の表情が人形の命だからです。

 人形作りは時代背景と共に変わります。歴史や文化をとり入れたさまざまな人形、人々の日常の風景をとり入れた人形、のびのびと育つ子どもたち、伝統に時代の空気をとり入れることが大切です。

 上川さんは毎年、年末は干支の人形と七福神の制作に追われています。今年は大黒さんと酉の置物(写真左)を2400個作ります。

 箱崎宮の放生会の時は、おはじきを白彫会のメンバー30人でそれぞれ600個作り、それを一つひとつ箱に入れて納めます。7月は博多山笠、8月人形祭り、11月は岩田屋で展示会など季節の行事に博多人形は息づいています
年末に自宅が全焼!
あったか民商に支えられ元気に再出発
 
八幡西民商上津役西支部の秋好重利さん
 
写真は、右から2人目が秋好さん、左端が内村さんと仲間たち
 
 暮れも押し詰まった昨年12月20日、秋好重利さん(左官工事 秋重工務店)夫妻は自宅から車で2、3分のところで仕事をしていました。

 午後3時頃、近くで火の手が上がり、まさかと思ってかけつけてみると、なんと自宅が火事でした。

 幸い子供たちは家におらず、家族に被害はありませんでしたが、27年間住み続けた家は全焼、家財道具も子供の勉強道具や玩具も、すべて灰になってしまったのです。「2、3日は足のふるえが止まらなかった。現場検証のときも足がふるえていた」秋好さんの衝撃は大きなものでした。

「みんなで助けよう」その日から行動した版と民商の仲間たち

 そんな秋好さんを助けようと即座に立ち上がったのが、八幡西民商上津役西支部みどりケ丘班の仲間たちでした。たまたま、その夜が定例の班会でした。この班会は実に30年近く、毎月欠かさず続けられているものです。

 秋好さんは、自宅を建てると同時に民商に入会、班の中心となり今では上津役西支部の支部長をしています。

 その夜の班会には、火事の知らせを聞いて7人全員が参加。「自分はだいじょうぶだ」と気丈な言葉を残して秋好さんが帰ったあと、みんなで具体的にどう助けるかを相談、今一番必要なのはお金だと全員が出し合い、翌日には秋好さんに届けられました。

 支部にも民商全体にも、支援の輪はたちまちひろがり、すぐに多くのカンパが集められました。

 班や民商の仲間の支援は、それだけではありません。班の建設業関係の仲間は、焼けた家の取り壊しをさっそく手伝い、火事発生直後に駆けつけた鮫島徳次副会長や民商役員、事務局も、こまごまと秋好さんを助けました。

 焼けたものは全部自分で捨てなければなりませんが、事務局がいっしょに市と交渉し、膨大な量のゴミ捨ても、ほとんど費用がかからずにすみました。

みんなの励ましで、自宅の再建を決断

 秋好さんは、いったんは家を再建することをあきらめていました。しかし、民商の仲間や「また、ここに帰っておいでよ」という、町内の人たちの励ましで、家の新築を決断しました。

 新築工事は、秋好さんの斜め向かいに住む、同じ班で副支部長の内村清美さん(大工工事 内村工務店)が中心になっています。

 内村さん夫妻は27年前、家を建てる場所を探しにきた見ず知らずの秋好さんに親切に接し、「こんないい人がいるなら」と、秋好さんの民商入会のきっかけを作り、ともに町内会長も務めた仲間です。

 2人とも町内の盆踊りでは太鼓をたたき、町内会には、なくてはならない存在です。

 2月1日、内村さんや大工さん、民商や町内の人たち23人が集まり、「棟上げ」がおこなわれました。威勢のいい「もち投げ」は子供たちが大喜び。「あのときはほんとうに楽しかった」と、秋好さんは語ります。

あったか民商で100倍の勇気もらった

 「人の優しさ、仲間のありがたさをこんなに感じたことはない。30年近い民商の仲間とのつきあいだが、火事のときはすぐに駆けつけ、次の日もまた次の日も来てくれた。民商は助けになるし力強い。10倍も100倍も勇気づけられた。もう少し落ち着いたら、商工新聞にお礼の言葉を入れてもらおうと思っている」思わぬ災難を乗り越え、秋好さんの表情は生き生きとしています。

 「一時落ち込んでいた妻も、心機一転でがんばろうといっている。小学生の子供たちには、クラスの仲間のあたたかい手紙がたくさん届いた。何もかもなくしたが、学校にはがんばっていこうと話している」 秋好さん一家は、民商、町内、そして秋好さんがPTA会長を務めている小学校の先生や生徒たちにしっかり支えられ、元気よく新たな出発を期しています。 
伝統行事を守って木うそづくり
筑紫民商の川越 省さん
完成した木うそ
赤や緑の絵付け
慎重にノミで羽づくり
太宰府天満宮参道
 太宰府天満宮では、毎年、1月7日に「うそ替え」の神事がおこなわれています。

 参道近くで精肉店(かわ省)を営む川越省(61歳)さんは商売のかたわら、趣味で「木うそを10年くらい前から作っています。

 友人が「木うそ」を彫っていたのを見て、自分も彫ってみたくなり、何ヵ月も通って習い、いまは独自性を出しています。「最低でも3年は彫らないと良いものはできない」と川越さん。

 有志25人ぐらいで「木うそ保存会」をつくり、後世に伝える努力をしています。

 「木うそ」は「朴(ほお)」もしくは「こしあぶら」の木を使います。色が白く、木が柔らかくて彫ったり、絵付けしたりするのに適しています。

 木は保存会の人が奥耶馬渓や中津江村に行って持ってきてくれます。

 「木うそ」ができるまでは15工程ぐらいあり、川越さんは仕事の合間に全部1人でこなしています。絵付けだけは、奥さんの美代子さんが手伝うこともあります。

 太宰府市の複合施設がいま、近くに建設中で、完成後は毎週日曜日に絵付け教室が開催され、参拝者も気軽に参加できます。教室の講師は保存会でおこなうようにしています。

 うそ(鷽・写真下)は実在する鳥で、日本では北海道や本州の亜高山帯の針葉樹林にすみ、秋から冬にかけて四国や九州に渡ってくる国内の渡り鳥です。体長は11〜12センチ、頭部と尾は黒く、背と羽と腹部は青灰色、黒く太いくちばしを持っています。顔が紅色で、美しい小鳥です。

 菅原道真公がスズメバチにおそわれたときに、「うそ」がパッと飛んできてスズメバチを追い払って助かり、それから天満宮の守り神になったといういわれがあります。

 古来の「うそ替え」は1年中の嘘を神前で誠にとり替えてもらい、罪を滅ぼすために、人々が手作りの木うそを持ち寄ったところから始まったといわれ、江戸時代頃から恒例の神事となり、現在に伝承されています。